11月11日母の誕生日に定期的に薬を頂いている病院に行くため、母を迎えに行った時の話です。
その日は、穏やかで風も無く、燦燦と陽が降り注ぎ暑いくらいでした。
何を着て行けばいいのかわからない母
家から一歩も出ていないで、日陰の部屋にいると寒く感じます。
私の家も北の洗面所は寒いので、長く居ないように無意識にしていると思います。
その日は車で実家に向かう際中、陽の光で暑くて窓を開けながら来たほどでした。
実家に着いて、居間に行くと、椅子に座っている母の背中に驚きました。
なんと、ダウンコートをフード付きで着ていたのです。
え~~~
「それはいくら何でも変だよ~~!」と思わず言ってしまいました。
いくつかの理由が周りを見渡して分かってきました。
衣服の調整が出来ない理由
➀雨戸を開けていない。(外の晴天具合がわからない。)
➁居間は西にあり、陽の影響を受けるのが遅く寒い部屋。
➂家の外に出ていない。
➃昔から物凄く寒がりであった。
認知症かもしれないと支援員さんが感じる時
デイサービスの人に認知症かもしれないと感じさせた最初の印象は、衣服の調整ができていなかった事だと言われている。
夏なのにズボンの下に下着のズボンを履いていたこと。
母は、人工股関節を入れていることから、血行が悪くなりやすく寒さを感じやすいのは私は知っている。そして、この居間は寒いという事が支度をする時、着こんでしまいやすい所。とはいえ、外との温度の兼ね合いを考慮しないのがやはり赤信号ということだろう。
これから燦燦と陽の当たる車に乗るのだから、フード付きダウンコートは有り得ない。
私「お母さん、このコートは早過ぎるよ、今日は暑い日だから、もっと薄い生地の上着で大丈夫だよ」というと
母「だってこれしか無いから・・」
私「そんなわけないよ、物凄く沢山あったじゃない。どこやっちゃったんだろう?」
母「わかんない」
私「とにかく、それは脱ごう」
母「でも無いから、いつもこれ着て行ってる」
私「え~、デイサービスこれ着て行ってたの?それは早過ぎる。雪でも降っているの?って思われちゃうよ」
母は、自分でもスーツを作れる腕前がある為、ジャケットも自作でもいくつも持っていた。どこにしまったのか・・・。
病院に行った後で、デイサービスにスムーズに行けるように秋冬衣替えの必要性を感じた。
案の定、夏物に埋もれて冬物がわからない
帰宅後、寝室を開けてみると、所狭しと色々な物があって、着替えなんてスムーズにできるはずない状態だった。
父の物も散乱していたけど、今回は無視することにした。
母が、スムーズにデイサービスに出かけられるように分かりやすくする
➀寝室は、下着類のみ置く事にして、➁隣の部屋は、デイサービスに出かける時に着て行く服を厳選して置いておくことにしよう。
寝室の簡易の引き出しには、一段目には下着のシャツ、二段目にはショーツと下着のズボン下、三段目に靴下だけを入れて、インナーを終える事が出来るように分けた。
綺麗に分けたが、翌日にはどうなるか分からない。
でも母は丁寧に畳む方なので、同じ仲間があれば綺麗に同じように乗せてくれないかなぁ・・・と希望的観測を持って提案してみた。
寝室から出て来た夏物を使っていないタンスに入れてみた。
着たのか着てないのか分からない服は、バンバン袋に詰めて持ち帰り、その場から撤去した。
(注意)夏服はこれから迎える冬には全く必要ないのだから、目に見える所に置いてはいけない。
混乱の素だ。惑わす物は視界から無くす方が良い。
施設に入所する時に購入したシャツ類だけでもこんなにある。
まず洗濯。おそらく洗濯した物だったと思う。積み上げて崩れて乱れてしまったという状態だったのだろうと思った。
しかし、とりあえず柔軟剤で良い香りにしてあげたい。洗ってあるよ、と洗濯物が教えてくれるだろう。
おわりに
認知症の人だけではなく、何事も分かりやすいのが一番だと思う。
この世代は戦争経験者だから、物を捨てる事ができない。
これは以前問答したが、頑固な父は断捨離を良しとしなかった。
しかし、自分が把握できているのはほんの一部分で、使っているのそれだけだ。
つまり、必要としている時に取り出せない。それではいけない。
使えるなら捨てなくても良いが、忘れて使えないのは意味が無いということ。
この世代には分かって貰おうとしても無駄なのはわかっている。
だからせっせと周りが使いやすい提案をする必要があると思う。
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