これが老々介護
股関節と腰に問題を抱えつつ脳梗塞の後遺症があった母に、去年の夏に認知症の症状が確認され、要介護2に上がりました。
コロナに感染させないように世界中でお年寄りと会う事を控えるように言われていた頃です。
私達子供はよく観察できませんでした。「無症状でも感染しているかもしれません。今は我慢しましょう」という号令がありました。
私達は最小限の接触で過ごしましたが、父の訴えで母は要介護2となり、老健に入る事が決まりました。
父が圧迫骨折になり、すっかり自信を無くしたことも原因でした。
しかし、父は後悔の念に苛まれて涙を流して戻して欲しいと懇願し、3か月で母との生活に戻りました。
所が今度は、母を中心で過ごした父が自分をおろそかにし、入院となりました。
退院してからの生活を整える
「お父さん、どうしているかなぁ・・」と呟く母。
父が無事退院したら家に戻りたいと願っている母に今してあげる事は、夫婦の生活を可能にしてあげる対策だと思いました。
母が認知症というけれど、どこまで何ができないのか?それを知る必要があります。
母は随分前から食事を作らなくなったと言っていました。
父が朝、味噌汁を作り、お昼と夜はお惣菜を購入したり、お弁当を買ったり、外食したりの生活でした。
これから父は糖尿病の人向けに栄養士が監修したお弁当を取るしかありません。
別に暮らす家族が毎食病人の食事など出来る筈がありません。インシュリンを4本打ってほしい程重症な父なのです。
今の時代の恩恵としてプロのお弁当に頼るべきです。入院食を継続するのが理想です。
しかし、母が週3回デイサービスに行ってお昼を食べてくる以外2人を賄うだけのお弁当の数は結構な数です。
持続可能な食事とするために、朝はご飯と納豆か玉子、ハム、のり、梅干し、豆腐や野菜の入ったお味噌汁という具合に一般の朝食にして節約が良いと思います。
納豆、玉子、ハム、のり、めかぶ、切り昆布、しらす、など火を使わなくても食べられるものを基本にすれば安心です。
味噌汁については父が火の管理をする事で成り立ちます。味噌は出汁入りを使えばインスタントスープです。
豆腐とおぼろ昆布でも入れたらお湯を沸かすだけで出来るのです。
我が家でやっているエノキ、刻み油揚げを冷凍庫に常備しておけば、お湯を沸かして投入し豆腐を加えるだけで出来上がりです。
朝、切ったり洗ったりしなくて良くて簡単です。
母ができることを探そう
そこで、母がなぜ今は料理をしなくなったかを聞いてみることにしました。
私「お母さん、あんなに料理していたのにどうしてしなくなったの?」
母「足が痛くて立っていられないんだよ」
私「足が痛いからなんだね。」
母「あとは、鍋を焦がしたりしたから」
私」そうか、火はお父さんとやらないと危ないね」
私「でも、お母さんもう料理はしなくていいから大丈夫だよ。」
母「味噌汁くらいは作るよ」
私「そうだね、じゃあさ、座って食材を切っておくのはできるかな?やってみようよ」
母「そうだね」
という事で、味噌汁の具材を洗って切るがどれだけ可能か、我が家にいるうちに確認することにしました。
デイサービスに行かない時は暇そうなので、レクリエーションぽく楽しくやる事にしました。
まず、包丁も要らない物を選びました。
さやえんどうです。
筋を取る事が出来るか様子を見ます。
私「お母さん、さやえんどうの筋って取れる?」
母「うん、取れるよ」
私「じゃあ、座ってできるからゆっくりやってみて。こっちに筋を入れてこっちにできたの入れて下さい」
母「はい」
すると、普通にクリア
私「出来てる、出来てるね~。上手に出来てる。やっぱりお母さん座ってやればできることあるね!」
「出来るのに勿体ないよ。デイサービス行かない日はゆっくりこういうことするといいかもね」
母「そうね」
次はネギを選びました。洗うのも簡単です。
私「ネギ洗って切るのやろう」
母「はい」
私「洗えたね、じゃあ座って切ってみようか。」
母「はい」
すると、美しく斜め切りをするではありませんか!
私「お母さん上手だね!凄いじゃん!びっくりだよ」
母「そうぉ?」
脳梗塞の後遺症で手が動きづらかった頃もあったのにこんなに奇麗にベテラン主婦の感覚が戻ってきていました。
これは日ごろのデイサービスのお陰なのでしょう。
あっという間に切ってしまいました。
私「この切ったものをビニールに入れて置いて、使いたい時に好きなだけ入れてお豆腐入れたらもう出来上がりだよ」
母「そうだね、うんうん」
次は小松菜を選んでみました。ほうれん草と比べて下処理が簡単です。
私「小松菜、洗ってみようか?」
母「はい」
私「先に根元を切っちゃってから洗おうか、そうするとバラバラになって汚れも洗いやすいかも」
母「そうだね」
私「うん、いいね、いいね、出来るね」
母「はい」
私「切る時は、座って切ろうか」
母「はい」
私「うん、うん、上手、これもビニール袋に入れておこうか。朝洗ったり切らなくて好きなだけ使えるね」
この日はこれでおしまいにしました。疲れて嫌になると困ります。楽しいうちに終わりです。
別の日に夕食を作っていると手伝おうか?というので簡単な野菜をテーブルで座って切ってもらう事にしました。
私「なすとピーマンを適当に切って貰おうかな」
母「どんなふうに?」
適当なんて言われてもわかりませんね。
私「斜めに切って貰えばいいよ。」
母「斜め・・ね」
なすを半分にする所はやって、渡しました。
初めは迷いがある切り方をしていましたが、そのうち美しく切り揃えて素早く出来て感心しました。
ピーマンも丁寧に奇麗です。
私「お母さん、さすがだね、とってもきれいに出来てます。他の事が出来て助かりました。ありがとう!」
母「そう、よかった。」
出来る事をみつけてあげるとこんなにやる気が出るのだなぁ・・・。と勉強になりました。
今回は自宅に戻って味噌汁を作る為にできる事を発見しました。
時間のある日にテーブルで座って食材を切ることです。
現実にそこまでできるかどうかわかりませんが、自分にもできる可能性がある事を感じてくれてよかったです。
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