満開の桜の木の下で ~子供の想い~

平日、仕事から戻った息子が、
「今から桜を見に行こうか」と言い出しました。
毎日、私が母の世話をしているので息抜きに誘ってくれているようでした。
その日は早い帰りだったので6時ぐらいで、まだ外はとっても明るいです。
「いいね、行きたいね」と私も応えるように返しました。
その会話を聞いていた母も「連れてってちょうだい」と喜びが顔に出ていました。
しかし、残念なことに夫の帰りが遅く、その日は行くことができませんでした。

息子と桜の季節

翌日母がデイサービスに行っている土曜日、息子が「桜見に行こうか」とまた誘ってくれました。
夫は友人と山登りに早々に行ってしまっています。
でも、夫のやりたい予定が母がいる事で実行できなくなる方が悲しいです。
友人との楽しみは、夫のオフの時間を守れている証拠なので私にはとても嬉しいことなのです。

私と2人の土曜日です。
お昼ご飯をどこかで食べて、桜を見に行こうということになりました。

息子は不思議なことに桜の季節になると一緒に見てくれます。
毎年必ずではありませんが、振り返ると小学生の頃から誘えば付き合ってくれる感じでした。
大学入学式に満開の桜は格別でした。

今回は母を看ている私が、自由に行けそうにないと思って連れ出してくれたようでした。
その日の桜は本当に見事で、満開でした。「綺麗だね、綺麗だね。」と言って私は写真を撮ったり上を向いて歩いたりしていました。
息子は「本当に最高に綺麗だね」と満足そうに見ていました。
息子にとってみればもしかしたら親孝行してくれているという気持ちがあったのかもしれません。
多分そういう気持ちだったのかなと思います。
本当にありがたく、尊い気持ちだと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。
母には悪いですが息子と二人で桜をゆっくり見ることができたことはとても幸せな時間でした。
もうこの日だけでも十分親孝行して貰った、という思いを刻まなくてはならないと思うぐらい幸せな時間でした。

消えてしまう記憶でも確かにあった時間

更に翌日、デイサービスのない晴れた日となりました。
母は父がいない寂しさを持て余しているのがわかりました。
母を連れ出し車からのお花見をしに行きました。
途中街路樹にされている桜の枝は車道の方に左右から枝を伸ばし、まるで桜のトンネルのようでした。
桜の花びらが僅かに舞い、車に向かって落ちてくるように見えました。
私が「桜のトンネルのようだね」と言うと
母は「本当にそうだね」と言っていました。
目的地は、みんなが集う桜見スポットではありません。
平日ほとんど車が止まっていない市の建物の駐車場です。
駐車場と言えど、桜が周りに取り囲むように植えてあり、見事な枝ぶりにたっぷり花を貯えた桜でした。
立派な桜の木をしばし仰ぎ見て2人でお花見をしました。
足が悪い人には駐車場の花見は最高です。
すぐに車の中に戻り、窓を開けて桜を見ていられます。
どこでもこだわらなければ、そこは手の届く桜の名所となりました。
とっても喜んでくれました。

不思議なもので、この特別な桜の季節を子供というのは親に見せてあげたいと思うようです。
母の場合は、もしかしたらその記憶は早いうちに(明日にでも)消えてしまうかもしれませんが、その日は間違いなくあったのです。

本当に夢のような感謝の桜の季節でした。

最後までご覧頂きありがとうございました。

 

ランキング応援頂けると嬉しいです。

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村