老々介護の実態◆支援の手を差し伸べる必要性

夫の実家はお墓を守る代々農家の家です。
どちらかというと裕福な家庭だと思います。

夫の両親は今年で93才と91才です。

長男夫婦と新しく立て替えた二世帯の家で暮らし、
広い敷地内に孫家族も家を建て住み、ひ孫にも囲まれ鉄壁な幸せな老後を営んでいました。
ところが、義母が15年以上前から耳と足が不自由となり、動けなくなってきてしまった事から、
一切の家事を義姉に頼む生活になりました。
現在、要介護1となっていますが、要介護2であってもおかしくない状況です。
一方、義父は要支援で踏み留まっています。

私達夫婦は県外に住んでいる事もありましたが、何しろ、兄夫婦と暮らし、姪っ子夫婦とその子供たちの中で、何不自由なくにぎやかに暮らしていると思っていました。

ある時、LINEで義兄からSOSが届きました

「限界が来そうだ」という内容でした。
初め、え?大人が4人もいる家庭なのにそんなに大変??と思ってしまいました。
実情と言うのは分からないものです。

義兄も今年で68才であと僅かで70才となる歳です。
世間でいう、「老々介護」ということです。
若い体力のある孫夫婦が敷地内にいるけれど・・・
姪っ子夫婦は3人の子供を育てているので、手伝いは出来ないと義姉は言います。
3人かぁ・・。パートに出ている姪っ子は塾の送迎、保育園のお迎え、ご飯支度、確かに忙しそうです。

そして、この冬、トイレが近くなった義母はトイレに間に合わないという事態が続いたそうです。
義姉は下の世話は一切手伝わないと公言して、なんと義兄が引き受けていたそうなのです。
自分の親なのだから、という事です。
これにはびっくりしましたが・・それなりにずっと暮らしていると何かしらあるのでしょうか。
きっと、義兄も妻を思って自ら進んで引き受け、抱え込んでいるのだと思います。

とにかくこれらの事を知って驚きました。
これもまた、他所の家庭事情の本当の所は分からないという姿を見せられたようでした。

私の実家は、頼りにできない弟の存在を抹消して、父が一人で圧迫骨折しながら母を世話していました。
しかし、父事態が要介護2となり、インスリン注射を必要となったことがきっかけで、
今まで家の恥のように扱われていた弟は救世主の扱いをされるという方向に関係性は修復されたのです。

人の人生、家庭とは不思議な関係性を持っているものだと思います。

夫の実家で問題なのは、義兄が一手に引き受けているという実態でした。
義父は一切義母の世話をしないそうです。
俺の仕事ではないという昔ながらの考えと実際義母が身の回りのこと全てやっていたそうです。
なんと、電子レンジさえも使ったことが無い徹底ぶりです。
洗濯機を回すなんてするわけもなく、洗濯物を畳むはずもありません。
そのほとんどを義兄が担っているというのです。

義兄は市役所を定年退職して、それ以降も公的な仕事を週何日か勤めています。
それなのに、戻れば、頑固になった義父が食べた物を片付けず、
食べっぱなし、薬の飲み忘れ、入浴を拒む、着替えを拒むなどを毎日毎日、
朝、出勤前、夜、帰宅後、いちいち言わないといけない状態に疲れ切っていました。

義姉は自分も健康不安があるようで、
「こちらの体がもたない」と関わらなくなったそうです。

私も先日、更年期の始まりか、生理の異常に健康不安を感じた時は、
本当に人に何かしてあげられるエネルギーが出ませんでした。
ですから、義姉は本人しかわからない何か体調不良を抱えているかもしれません。

夫を通して提案をしました

➀薬は認知症状が無い私の父でさえ、薬の数に振り回されて管理ができず薬が飲めませんでした。
→薬の調剤の段階で一包化してもらう。

 

➁義理の母の排泄問題は介護度が以前より上がっている可能性がある。
→もう一度見直しをしてもらう。支援の幅が広がる。

 

➂義父とのやり取りに疲れている義兄のストレス軽減が必要
→ショートステイを利用して旅行などリフレッシュしてもらう。
ショートステイを「姥捨て山」と表現する義母を説得し、義兄夫婦のストレス軽減に定期的に利用してもらう。

 

➃義兄の最大のストレス関係にある義父に定期的に我が家へ来てもらう。

 

義兄、義姉にしてみたら、
同じ兄弟なのに、離れているから、長男が面倒見るのは当たり前というこのスタイルにも不満があるかもしれません。
義兄からしたら、弟が力になると言う事がどれ程心強いかと私は思ったのです。
それは、私が実家を通して感じたことです。
兄弟3人で父の入院をきっかけに関り、分担しました。それがどれ程安心したか。
今、義姉からもあまり力になって貰えない状況なら、尚更だと思います。

「私達は必要なら力になるよ」というメッセージが伝えないといけないと思いました。
本来長生きは喜ばしい事だったはずなのです。
ところが、老々介護で苦しむと、人生の足かせのよう感じさせてしまうのかもしれません。
本来は優しい人なのに冷たい言葉を投げかけるようになってしまいます。

妻が夫に支援しようと提案する必要があります

夫は、私を気遣い、我が家に預かるイメージなど浮かばなかったと思います。
ですから、妻から言うべきだと思いました。
実質の負担は食事なども含めて、妻である私に仕事を負わせることになるからです。

私は、私のやりたい事を落ち着いて考えています。
それは、生涯のパートナーである夫を授けて下さったという事にお礼を何時もしたいと思っていました。
それが、これなのだと思いました。

至らないのによく呼べるものだという葛藤もあります。
しかし・・「長生きも悪くない」と感じて貰う事が親孝行かもしれないと思います。

仮に、義父が「狭くてつまらなくてコリゴリ」と思ったとしても、義兄に対しての誠意は表せ、夫に対して悪く思わないと思いました。

このお話をしに、夫は実家に行きました。
義兄から「来てくれて嬉しかった。気持ちが楽になった」と最後別れる時に言ってもらえたそうです。

私達は選択肢を増やせたと思ってます。あとはお任せしようと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。

 

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