人の家庭は良く見える ~自分の人生に関りはない幻想だった~

子供を持った時、同じくらいの子供がいると親しくなりやすいものです。
子供が小さい時「公園デビュー」などという、ちょっと怖そうなイベントが待っているのかのような時代でした。

デビューなどしなくても日常の中で顔見知りになってしまう人がいると嬉しいものです。
歩いて何十メートル、という回覧仲間の親子さんは道路に出るだけで出会え、ぐっとハードルが下がります。
子供の相性もあるのでそんなに深く仲良くなりませんでしたが、心強かったものでした。

勝手に抱いたコンプレックス

そのご家族は、人も羨むエリート家族となりました。
ご主人は、大手町にあるメガバンクの本社勤務を新入社員の時からずっと勤務するエリートです。
あの若さであの家を購入できるのは大したものだなぁと羨望のまなざしがありました。
高学歴なご夫婦で、お子さんもこれ以上にない進学をしました。
そうか、やはり遺伝というのがあるのかと子供を通して身近で感じたものでした。

私はそういう意味で、何となく自分が劣っている事を感じさせられた気持ちになり、
壁を感じて行きました。

そんなある日、今年はその家庭が回覧板仲間の役員となる事が分かりました。
もうそんな順番の年なのか、こういうのは早く感じられるものだなぁ。と思いました。
そして、ふと、町会費の集金が浮かびました。
そう、苦手に思っていた奥さんがインターフォンを押して来るのです。

自分の感情に向き合ってみる

こんな気持ちはいけないと思いました。
もう、どうでも良い事に勝手に卑屈になってどうするの?
あの方々が私の人生の脅かしたり、責任を取ってくれるわけでもないのです。
私は私で生きて行けばいいんだから。
そんな勝手な優劣ごっこはやめなさい。
と自分に言い聞かせました。
子供を東大に入れることができるお母さんが素晴らしいのは間違いない、良かったね、で良いのです。
東大に入らないと価値が無い訳じゃない、それは分かっていたのですが、あまりに見事で比較してしまったのです。
そうか、あれ程の優秀な子供に育てられなかった、という比較して悲しんでいる気持ちだね。

良いの、良いの。私は私で子育てよく頑張ったよ。
私のこの体で本当によくやったじゃない。
エライ、エライ。足も悪くて入院したり、手術したりして頑張ったよ。
リハビリも頑張った。子供いてやったんだよ。エライよ!
と自分で自分を褒めまくると、なんだかだんだん開き直ってきました。
良かった、私の心が柔らかくなった。そう感じました。

人のいる気配がない家

すっかりお会いしていない仲となり、お互いただの住人でしたが、
今回の役員さんという事で、家の前を通り過ぎる時には目が行くようになりました。
昼間なのに雨戸が全て閉まっている状態がずっと続いてます。
どうしたのかな、人がいる気配がない。
今、リモートワークができるから自由な働き方をしているのかも。と自分で納得させました。

しかし、それは続きました。

私と同じように親の介護をしている可能性もあるという考えも浮かんできました。
お2人は関西の方でしたから、遠距離介護のような事が起こっているのかもしれない。
などと、勝手な妄想をまた巡らせていました。
そんな大変な時に役員を順番通りに受けるとは何と律儀な方だろうと思いました。

そして、ある日曜日に、そのお宅のご主人が町会費集金に現れました。
インターフォンカメラ越しにご主人が映っていて驚きました。
良妻賢母の奥さんだから絶対奥さんが見えると思っていました。
老後に備えて、ご主人が地域に参加をされるのかぁ・・、凄い!と思いながら会費を持って向かいました。

町会費についてお話した後、介護仲間と思って「平日雨戸閉められているようですが・・。」と声をかけてみました。
すると「実は、最近離婚しまして・・留守がちとなります。よろしくお願いします。」というお話でした。
「・・・そうでしたか・・。」何とも余計な事を聞いたものです。
私は親の介護問題に直面するそういう世代になりましたね・・という話になると思っていました。
びっくり過ぎます。本当、失礼しました。

比較することで人は簡単に重たい気持ちになる

他の家庭の事は全く分からないものだと思いました。
熟年離婚する経緯はわかりませんが、それは私にとっての理想の人生とかけ離れていました。
何だったんだろう。私は、あのご家族を勝手に理想の家庭と捉えて生きて来たのです。
勝手に卑屈になり、勝手に自分で自分をおとしめていただけでした。
なぜおとしめなければならなかったか。
コンプレックスです。比較で出てくるものです。
つまらない妄想で心を重くしてきたものです。

私に必要な物は、すでに手にしているというのにです。
私にとって夫は他に代えがたいパートナーです。
そういうかけがえのない存在となった夫と、パートナーシップを築けた真実だけ見ていれば良かったのです。

人は誰かと比べる事で重たい気持ちにすぐになります。(不幸を感じたり)
でもそれらは、関わりのない幻想のような他人のストーリーと比べていただけです。
自分のオリジナルの人生には全く関係ないのです
一つ、夢から覚めて真実を知ったような感じでした。
自分の一度の人生は誰かや何かと比べてはいけない
比べられるものではないものでした。

もっと自分を褒めてあげよう、
頑張って生きていたと自分が自分を褒めてあげましょう。

最後までご覧頂きありがとうございました。

 

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