飲食店の現場で思う事

少ないシフトですが飲食店に勤めています。

カフェとは程遠いお店ですが食べ物のお店の現状が見えています。

コロナが落ち着いてきましたが、

未だにお客さんは戻らず、経営は困難のようです。

コロナの数か月前にオープンするという、

今思えばとてもタイミングが悪いスタートでした。

利益を出す前にコロナ禍の渦に巻き込まれてしまったお店です。

営業時間の制限を受け、それに伴い人員を減らすシフトを組む形でした。

おそらくどこのお店もそのような営業形態だったと思います。

生活全般をこのお店に頼っていた人はとても大変だったと思います。

学生も随分減りました。

経営をするとは何と難しいものでしょうか。

好きだからカフェをいつか開いてみたい。

などうっとりして成り立つものではありませんでした。

人を雇うという行為はその人の人生も背負うこともあるのです。

全く持って甘い少女並みの考えでした。

1分たりと暇を許されない仕事

私は色々な職場がある事を知った想いです。

私は事務職ばかりを呑気にさせて頂いたように思います。

午前にお茶の時間、

午後にはおやつ付きのお茶時間が普通に許される環境ばかりでした。

これしか経験ないと

1分たりと暇を許されない仕事というのがある事を知らずにいる所でした。

3時間勤務ですが、1分たりと休みません。

それが飲食店の調理前の下ごしらえ役である仕込み部門です。

暇ならば帰りましょう。という世界です。

仕込むものがないのになぜいるの?ということですからそうなります。

無駄な人件費ということになるのです。

「1分?そのくらいなら休んでいるはず、大げさだと」思われる方いたかもしれません。

所が、1分という時間はとても長いのです。

家にいる時とは時間の流れがまるで違う異空間となります。

試しに時計の秒針を1分間、目で追うということをしてみてください。

何と1分って長いのだろうと思うと思います。

「休む」と思って1分間見つめて欲しいのです。

この長い間手を止めるって逆に厳しいです。

お茶など飲んで隣の仲間と話をしていた頃は短かったと思います。

しかし、それくらい1分あれば振り分ける事ができる。

という作業に充てられる時間に感じるのです。そして黙々と取り組みます。

厳しい仕事と捉えるかは自分次第

家にいる時この時間ここまで、

必ず仕上げなくてはならないというのはあまりありません。

ですから、この機会にテキパキ動くトレーニングだ

と思って現状を楽しむことにしました。

コロナ前は厨房に仕込み作業を3人でやっていました。

それがコロナ禍の中では営業時間制限がおこり、

お客さんが減り売り上げも比例して落ちたのです。

仕込み人数は2人になり、今では1人となったのです。

ですから私のシフトの時は私1人で用意するということとなります。

接客をする人は、

いつお客さんがくるかわからないので最後まで必要なわけですが、

営業前の仕事とは整えば終わりとなります。

初めは契約しているのにおかしいのではないか?

という考えもありました。

しかし、この状況は世界中が同じであるとニュースは知らせます。

経営者目線で見るようになりました。

つまり、利益が出ないと経営は成り立たないということを理解するしかないのです。

固定費の家賃がウェートを占めて、

苦しむ大きな要因であることもわかりました。

固定費の家賃があって、光熱費があって材料費があって人件費がある。

かかる費用を抑えるならどこですか?という目線です。

こんな立場の弱い労働者があるのだということを知る

自分の立場だけで見たら「契約通りしてください」となります。

でももう少し離れてみたらわかります。

そしてそれはこんな立場の弱い労働者があるのだ、

ということを身をもって知る機会となったとも言えます。

経営者目線で見たら人件費削減しかないのは分かりますし、

収入が激減すれば労働者の生活に影響が出ることも分かります。

本当に経営とは大変な事です。

こんなコロナのような事態は想定できなかったけれど、

こういう事も乗り越えての経営者なのだと思いました。

まったりと、少女のような気分でお店経営はやれることじゃない。

飲食店、サービス業の方々のご苦労が偶然携わる事で理解でき、

共に苦境を目前にした戦友のように思えました。

経済にも今まで以上に興味を持ちました。

社会の仕組みがこれからこのままで良い訳がありません。

どう変化して行くのか見守って行きたいです。

キビキビとこなす先輩たちを見習って全力で取り組みます。

準備があっての楽しい外食に感謝するように

大好きな外食を提供される裏側を知ると、

お客さんとして他所のお店に行くと心の中で「頑張ってくれてありがとう」と感謝できます。

私のようなのんびり屋は、このような場所を与えて頂いてキビキビ、

テキパキを覚えるきっかけだったのだと思います。

段取りよく1人でこなす勉強中です。

家でも気が付くと並行して作業する癖がつきました。

時間を有効に使える練習になっています。

飲食店の現場からでした。

ありがとうございました